※2018年11月 DCM4CHEE Archive light 5用インストーラー(Windows用)も完成しました。25分程かかりますが、PCにワープロを用意するような感覚で無料PACSサーバーの構築することができます。下記を参照してください。
DCM4CHEE 2018(その2) Windows 10へのインストール

※2018年9月 DCM4CHEE Archive light 5用インストーラー(Ubuntu用)を作成しました。5分程度で無料PACSサーバーの構築が完了します。下記を参照してください。
DCM4CHEE 2018(その1) Archive light 5用インストーラーの開発

無料(フリー)PACSサーバー

昨年、クリニック向けにPACSサーバーを用意するにあたり色々と調査を行いました。 DCM4CHEE DICOM Archive 5 lightが登場するという大きな変化がありました。

DCM4CHEE DICOM Archive5

DCM4CHEE DICOM Archive 5 lightが2016年1月から登場しています。 ようやく最新のJAVAとJBoss AS(WildFly)でDCM4CHEEが動作するようになりました。
※DCM4CHEE Archive 5、dcm4chee-arc-lightなどと表現しているWebページもありますが、すべて同じものです。

DCM4CHEE 2.xも時々バージョンアップされているのですが、古いJAVAとJBoss ASの組み合わせでしか動作しません。 DCM4CHEE 2.xはjboss-4.2.3でしか動作しないためセキュリティホールを簡単に塞ぐことができません。 インターネットに公開しない院内のみの利用とは言え好ましい状況ではありません。

クリニック向け統合サーバーでは、予備サーバーも含め2台のサーバーを用意しました。そこで、1台はDCM4CHEE 2.xもう1台には DCM4CHEE Archive light 5をインストールしました。 稼働開始からもうすぐ1年になろうとしていますが、問題点は発生していません。 これから新しいPACSサーバーを用意する時は、DCM4CHEE Archive light 5をインストールすることになると思います。

今後は、DCM4CHEE 2.xのインストール記事など古い情報が残っているだけだと思ってください。 間違わずにDCM4CHEE Archive light 5をインストールしていきましょう。 自力インストールが無理で業者に依頼する場合、DCM4CHEE 2.xを提案してきたら迷わず拒否しましょう。
※Windows 7や10などのクライアント用Windowsをインストールして使用するのはライセンス違反です。 Linuxなどのサーバーにインストールしましょう(ORCAサーバーにインストールし共存させることができます)。 詳細は、クリニックIT化統合サーバーを参照してください。

インストールすると次のような画面がWeb経由で表示されるようになります。
DCM4CHEE Archive light 5 トップ画面
DCM4CHEE Archive light 5 一覧画面
※「電子カルテ - WEASIS」経由でしか画像閲覧しないので、実際には使いませんが。

今後、DCM4CHEEをインストールするとしたら、DCM4CHEE Archive light 5しか考えられません。 インストール時の参考にするページを間違いないように注意してください。 下記のような画面イメージがあったらDCM4CHEE 2.xについてのページなので参考にしないでください。
DCM4CHEE旧バージョン(Ver2.x)の画面

Conquest DICOM

Conquest DICOMも時々バージョンアップされているようです。 スクリーンショットを見る限りでは、遥か昔にインストールした時と同じ画面のように思えます。 DCM4CHEE Archive light 5から変更する理由もなくインストールもしてみていません。

無料(フリー)PACS Viewer

ビューワーについては、大きな変化は見られないようです。

WEASIS

クリニック向けに最新バージョンをインストールした所、起動時に警告のダイアログが表示されるようになりました。 「次回から表示しない」のチェックを入れても毎回表示されてしまいます。 applet起動時の警告ダイアログで「次回から表示しない」のチェックが効かないのページにも同様の記載がありました。 長々と書かれていますが、解決しているのかどうかもよくわかりません。

WEASISのソースに手を入れたりするのも面倒だったので電子カルテからの起動時に、ダイアログを閉じてしまうように改造しました(電子カルテの呼び出し機構を改造しました)。 1時間ぐらいの対応で問題なく使えています。

※クリニック向けのシステムでは、電子カルテがローマ字に変換して各モダリティに送信しています。 そのため患者名に半角カナを使った時の問題点が改善されているかどうか、今回は確認していません(WEASISで検索しても、そのような記事が見つからないので多分改善していないでしょう)。 以前のようにソースを改造することなくそのまま使っています。

Oviyam 2.0

バージョンアップされていたので試してみました。 患者IDによる連携も可能でした(iOviyamは連携できません)。 特にWEASISから積極的に変える理由もなかったので、クリニックではインストールされていますが使っていません。

K-PACS

数年前から全く更新されていません。もはや調査・検討の対象ではありません。

無料(フリー)PACS モバイル端末向けViewer

以前から気になっていたiOviyamが、0.9から2.0にバージョンアップしていました。 試してみるとAndroid/iOSから問題なく使用できました。 「iOviyam 2.0 iPhone View」と記載されていますが、iPhoneだけでなくAndroidからも使用することができます。 そこで本格的に活用することにしました。 用途は、休日や当直帯に上級医へコンサルトを受けることです(いわゆるD to Dの遠隔医療)。

次のような利用形態が実現できた良いと考えました。

  1. 電子カルテから選択した画像を匿名化して送信します。 この時、コンサルトの内容、年齢、性別、病歴などの情報も送信します。
  2. スマホ画面上にコンサルト待ちの一覧が表示されます。 ステータス済になるまで、この一覧に表示されます。
  3. 一覧を選択すると病歴などの詳細情報と共に画像の一覧が表示されます。
  4. 画像一覧から個々の画像を閲覧します。
  5. チャットなどの機能で話し合います。

(1)は電子カルテが自作なので簡単に実現できます。 (2)と(3)の一部については簡単なWebプログラムを作る必要があります。 (3)の一部と(4)は、まさにiOviyamの機能が使用できます。 (5)については、他のサービスとの併用でも構わないと考えました。

しかし、当然可能だと思っていた患者IDを指定してのiOviyamを起動(URL呼び出し)することできませんでした。 これでは連携のしようがありません。 そこでiOviyamをベースに改造することにしました。

改造点は以下のようになりました。

  • 電子カルテの職員IDでのログイン
  • DBへ登録(送信)したコンサルト依頼の一覧表示
  • 患者病歴などの詳細情報の表示
  • チャット機能
  • 通知機能
これらの機能をiOviyamに追加しました。 ちょうどゴールデンウイーク時期だったので、休みの間に自宅サーバーを使って実装させることができました。 その後、電子カルテからの送信機能を付け加え稼働を開始しました(電子カルテは直接インターネットに接続していないので転送機構には工夫が必要でした)。 かかった費用は、コンサルト依頼通知用のアナログUSBモデムの費用約\2,000だけです(ネットワーク通知+電話ワン切りでコンサルト依頼発生を知らせます)。

完成したての試作バージョンの画面イメージが以下になります。

コンサルト依頼検索画面 コンサルト依頼一覧画面
電子カルテから送信した依頼を検索し一覧を表示する画面です。

コンサルト依頼内容詳細画面 画像一覧画面
一覧で選択した患者から詳細情報を表示した画面と、その患者の画像一覧画面です。 画像一覧画面は、iOvyamとほぼ同じです。 また、実際の画像表示画面はiOviyam 2.0と全く同じです。 iOviyam 2.0のページに画面イメージがあるので、そちらを参照してください。

チャット画面
チャット機能も自作し一体化させました。

ちなみに電子カルテからの送信画面は以下のようになります。 現病歴以外にも既往歴やスケール・スコアなど入力されている情報があれば送信されす。 また、画像情報は匿名化して送信しています。

類似機能のサービスにJOINというものがあります(そもそもJOINをコンサルト目的で使うには機能的に使いにくいと思うのですが、私の感性がずれているのでしょうか?)。 料金を調べてみたところ京都プロメドという遠隔読影会社に記載がありました。 料金は初期費用:90万円、月額基本料:8万円(ストレージ100GB込み)、月額アプリ使用料:9千円(10ユーザー)とのことです。 それほど頻繁に使われる機能ではないのに、毎月約9万円(最低)の費用がかかります。 数日で類似サービスが作れるというのに価格が高すぎます。
この会社に読影を依頼している病院では月額約4万円に割り引くとのことですが、それでも高すぎます(そもそも差額は読影会社の利益から補填されているのでしょうし)。 JOINは薬事承認を取得しているという特徴がありますが、JOINで読影し加算を取るわけではないので全く関係ありません。

このような高額な料金が、医療分野でのIT活用を遅らせている最大の原因だと思います。

2018/3/19追記
ネットでスマートフォンを用いた脳血管障害遠隔画像診断治療補助システム「i-Stroke」というシステムを見つけました。 画面が小さいためはっきりしない部分もありますが、今回自作した遠隔コンサルトシステムと似ているように思います。 病歴や、NIHSSの確認もできるようです。ちょっと脳外領域に特化しすぎのように思いますが、JOINより非常に使いやすそうに見えます。
※当院でも頻繁にアルテプラーゼ投与は行っているので、残り時間をカウントダウンする機能はそのうち真似したいと思います(特に院内機能として)。
やはり今回自作したものと同様のコンセプトのシステムがあり安心しました。

ただi-Strokeは富士フィルムが開発しているようなので、どうせ「お高いのでしょう」と思いながらも価格を調べてみました。 しかし2012年ごろまでしかi-Strokeの情報がありません。 脳外領域に特化しすぎて撤退かと思っていたところ、次の記事を見つけました。
実はJoinには、前身となる医療用ソフトウエア「i-Stroke(アイストローク)」が存在する
どうやら高すぎて需要がなく撤退し、その後JOINに引き継がれたように書かれています。 ここで変なコンセプトのシステムへと変容していったようです。 i-Strokeは、見た感じ好感の持てそうなシステムだったので非常に残念です(ただし、脳外領域に特化しすぎですが)。 また、JOINでさえ十分高いのに、一体幾らで提供していたのか知りたいものです。